今日のユース 第1話 ~せんたーちょうがセンター長である所以~
ユース交流センターがオープンしてはや2か月が経ちました。
なかなか忙しいことを言い訳に逃げていたのですが、職員連載のブログを更新することになりました。
「とりあえず、センター長は毎週1回更新してください」とスタッフから叱咤激励をもらったので、書いていきたいと思う。
※継続することが極端に苦手なので、第一話が最終話にならないことを祈る!
そもそもセンター長などという大それた肩書をいただいているが、30歳になったばかりの青二才ができることなんてないのだと思う。
中高生からすれば年老いたおじさんに違いないし、大人の人たちからすれば若造と呼ばれる僕ができることなんて特にはなく、裏でカタカタとパソコンをたたきながら事務作業を行う以外選択肢がない。居場所事業を行いながら居場所がない立場なのである。
そんな僕に心優しい女子高生が気を使って話かけてくれることがあるのだが、先週うまく答えられなくて、もやもやしたことがあった。
「センター長はなんでセンター長になったんですか?」
普通であれば経歴を話したらいいのであろうが、この子は何を求めているのだろうと思い、うまく答えられなかった。
それこそユース交流センターには、芸人を目指していた人や、絵を描くのが好きで絵ばっかり描いていた人や教員を目指している学生など本当に多種多様な人がいる。
そう考えると、30歳にもなってもふらふらと生きている僕の経歴など、聞いたことのない言語を初めてきくのと同じくらい呪文のようでしかないのだろう。
とりあえず、なんでそんなことを聞いているのかを聞いてもみると、「何を基準にして仕事を選んでいるのかわからない」と話してくれた。
確かに、今のキャリア教育では、どうしても進路の話に最終的になってしまうので、「どこの大学にいきたいか」に無理につながってしまうことになる。
そうすると要は大学の学科にそのカテゴリーがないと、選択できないので、なんとなくそれっぽい学部を選び、あとは大学の偏差値を見て、いけるところを探すしかないのだろう。
なんておもしろくない!
こんなことに気づかせてくれた彼女に感謝しつつ、30歳という先輩として、少し違った角度から的確にアドバイスできればいいのだろうが、絶妙のタイミングで言葉が詰まり、最終的に思いついたのが、 ちょうどその日の通勤の際に見ていた漫画を思い出して紹介するだけにとどまってしまった。(泣)
「ブルーピリオド」(山口つばさ)
話のあらすじは、 成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、やりたいことがないと、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら) が、あることがきっかけで東大よりも倍率が高い東京藝術大学を目指すという話である。
要は、「何でも出来るがやりたいことがない少年が『好き』を見つける話」。
この漫画で面白かったのが、主人公の感情が、リアルに出ていて、今の中高生たちの葛藤ともリンクする(のではないかと思う)ところ!
主人公は絵を描く楽しさを感じつつも、
・絵を描くって趣味でいいんじゃね?
・今さら絵の道を選べるほどバカじゃねぇんだよな
・ 好きなものを好きっていうのって、怖いんだな…
という葛藤と親との理解が得られるのかで心が揺れている。
おそらく進路を考えている中高生も同じ感情に出くわすのではないだろうか・・
そんな中で出会う美術の先生のことばがすごい!!
“好きなことは趣味でいい これは大人の発想だと思いますよ
誰に教わったのか知りませんが頑張れない子は好きなことがない子でしたよ
好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?”
こんな先生に僕も出会いたかった。
ユース交流センターの職員 もこういうターニングパーソンになれればいいなと思いつつ、
僕は質問をしてきた高校生に、かっこつけて最後に言いました。
「かっこいいもんは無限にある それに気づけるかどうなんかだよ 」
※主人公の言葉を完全引用
また次回来たときはもう少し自分のターニングポイントも話せれるようになっておきます。
※ ブルーピリオド を全巻おいてみたのでぜひ読んでみてください!